2023年4月26日水曜日

Kanin店主のシスターフッド②同人誌

  実店舗開店を目指し、まずはひと箱古本市に出店、そしてオンライン書店をオープンさせた店主ⒸとS。ひと箱古本市に参加してみて、強烈なデジャヴを感じました。それは、1980年代終わりの同人誌界。

 小学校からの幼馴染である店主ⒸとS、中学時代には一緒に同人サークルを作って同人誌を発行していました。最初は店主Ⓒが所属していた合唱部のメンバーと同人サークルを結成し、そこへSがもぐりこませてもらった格好です。

 同人誌のテーマは、当時爆発的に流行していたアニメ「聖闘士星矢」。メンバーそれぞれにお気に入りキャラがおり、サークル内ではそのキャラ名で呼び合っていました(黒歴史……)。店主Ⓒはアンドロメダ瞬好きなので「瞬君」、Sはアニメのオリキャラ・ポラリスヒルダ好きなので「ヒルちゃん」と呼ばれていましたね……(何度でも繰り返すが黒歴史)。沙織お嬢様好きな子のことは、「お嬢」と呼んでいましたね……(美空ひばりじゃないよ)。

 ついにはみんなでなけなしのお小遣いを出し合い、同人誌を作って販売することに。とにかくお金がないので、オフセット印刷モノクロ16ページ、表紙のみ色インクという、今思えばまったく見栄えのしない冊子だったのですが、中学1年生の女子数人がGペンや丸ペンを使ってスクリーントーンを貼ってマンガを描き、町の小さな印刷所へ入稿し、コミケへ運んで手売りしていたと思うといじらしくて泣けてきます。

 そして乗り込んだコミケでは、高校生・大学生のお姉さま方(中学生よりは財力があるので、表紙も4色だったりと豪華。そして画力も段違い)から「謎の小学生軍団」と呼ばれていました(おい、中学生だよ!)。もちろん同人誌もほとんど売れず、大量の在庫を抱えたはずなのですが、あの在庫はどこへ行ったのでしょうか。記憶がありません。


 さて、ではなぜひと箱古本市に強烈なデジャヴを感じたのか。いくつか理由があると思うのですが、ひとつは店主さん同士、本名ではなく屋号で呼ぶから、でしょうか。「シスターフッドさん」「Kaninさん」と呼ばれると、「瞬君」「ヒルちゃん」と呼びあっていた頃を思い出します。

 また集まっている店主さんたちに、(勝手にですが)同人誌仲間と同じバイブスを感じるのです。陰キャの店主ⒸとS、ふたりともこの世に生きづらさを感じており、本に救いを求めてきたのですが、他の店主さんたちもなんか同じ匂いがする、というか……。もちろんリア充で「古本市激ヤバ、超楽しくね?(←店主Sが想像する精一杯のリア充キャラの台詞)」という方もいらっしゃると思うのですが……。

 中学生の頃から25年経って(時の経つのが早すぎて恐怖)、なんだか同じ場所に戻って来たね、と話し合っている店主ⒸとSなのです。

 

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