2023年6月21日水曜日

Kanin店主のシスターフッド④ 花とゆめ

 7月1日の本契約&内装工事開始に向け、武者震い中の店主ⒸとSです。そしてSは子がはまってしまったアニメ『じゃりン子チエ』で、チエちゃんが仕入れのお金をきちんと取りわけているのを見て「はっ! 仕入れのお金っていうもんがあるんやった!」と気づく……(今までは蔵書を売っていたので「仕入れ」という概念がなかった)。大丈夫なんかいな、Kanin実店舗!


  さて店主Sは250万乙女のひとり、どっぷり『りぼん』っ子でしたが(当時の理想の男性は真壁君。でも、中学生であんな男子おったら引くわ、と今は思っています)、いつまでも『りぼん』を読んでいるわけにはいきません。

 購読する女性誌も『二コラ』(は子どもの頃なかったが……)→『セブンティーン』→『non-no』→『MORE』→『DOMANI』(なぜか突如集英社から小学館に)と移動していくように、読む漫画も年齢に合わせて変わっていきますよね? どうでもいい情報ですが、店主Sは『りぼん』の次は『ハロウィン』を友達に借りて読んでました(朝日ソノラマから出ていたホラー漫画雑誌です。『カルラ舞う!』が有名。店主Sが好きだったのは『陵子の心霊事件簿』で、めっちゃキモイけど読まずにいられなかったのが御茶漬海苔先生の作品群……)。

 そして店主Ⓒ、Sが中学生時代にはまっていた漫画雑誌、それが『花とゆめ』でした。最初は『ぼくの地球を守って』を読みふけり、交換日記(←流行ワード)に木蓮さんやありすの絵を描きまくっていたのを思い出します。


 その後、ブームが来たのが『ここはグリーン・ウッド』。店主ⒸとSは好みのタイプが絶対にかぶらないことで有名(?)なのですが、Ⓒは光流先輩ファン、Sは忍先輩ファンでした。

 ……というのを実はS、すっかり忘れていたのですが、先日ツイッターで「上岡龍太郎が好みのタイプだった。そう言ったらめんどくさい男が好きだと呆れられた」と書いたところ、Ⓒから「忍先輩好きやったもんなw」と言われて思い出したのです(でも、光流先輩もまあまあめんどくさくないか、と思っている店主S)。

 そのほか、『動物のお医者さん』や川原泉先生の漫画も好きで読んでいました(もちろん『ガラ仮面』も)。高校に入学してからは『花とゆめ』からも遠ざかってしまったのですが、漫画好きの後を継いだ妹に『赤ちゃんと僕』『八雲立つ』『夏目友人帳』(←この2つはLaLa)を借りて読んでいましたね……と感傷に浸ったところで、今どんな感じなんだろう? と思って『花とゆめ』のサイトを見てみたら、作品どころか知っている漫画家さんすらひとりも! いませんでした。

 嗚呼、人生すべからく祇園精舎の鐘の声、沙羅双樹の花の色。時は移ろい人も移ろう……。どうりで年を取るはずだ……。

 ちなみに『花とゆめ』というと、冲方丁さんの小説もありますよね! 中宮定子&清少納言ファンの店主S、とても面白く読みました。なぜ定子と清少納言が好きかを話し出すと止まらなくなるので、それはまた別の機会に……!

 

 

2023年6月15日木曜日

Kaninの実店舗探し⑤ ネタ探しのつもりが

  5月20日(土)。

 Kaninの店主ふたりはやさぐれていました。なんとふたりとも、「天神さんで古本市」の申し込み開始時間に寝落ちしており(店主S、隙があれば寝たいお年頃なので毎日22時就寝だが……)、出店がかなわなかったのです。

 古本市に出店し始めた3月から「天神さん」を目指しており、この日はもちろんふたりともがっつり予定を空けていました。朝から晩まであいている日にⒸとSが集まればやることはひとつしかありません。そう、昼飲みです。

 ですが、このままだと「わーん天神さん出られんかったねー涙」な愚痴飲みになりそう、ということで、店主Ⓒが「物件見に行こう」と誘ってくれました。Ⓒが探し出したその物件、写真を見ると非常におしゃれ。しかも状態もよく、ほぼそのままでいろいろできそう。場所も北白川で、一乗寺からすっごい遠いわけではない。行っとこか! と乗る店主S。


 そう、そしてここが、8月5日にオープン予定のKanin実店舗となる物件だったのです。

 もともとはマンションのワンフロアのうち、4軒(うち1軒は倉庫)を不動産屋さんが借りており、オフィスにしたり雑貨店にしたりしていのですが、近所に自社ビルを購入したので明け渡すことになった、とのこと(縁起よ! 物件)。不動産屋さんが退去したのは4月末でそれほど時間が経っていないのに、我々が見に行った日、すでに2軒は入居が決まっていました。

 ドアもかわいい、中もきれい、狭いけれど部屋が2つあって、書店スペースと飲食スペースを分けられる。書店スペースにぴったりな部屋は有孔ボードが設置されていて、いろいろ使えそう。何より家賃が手ごろ……(これ重要)。

 仲介しているのが元入居していた不動産屋さんだったので、メリット・デメリット含め丁寧に説明してくださったのも好印象でした(何を聞いても「確認します」っていう、なんも分かってない人もいたからな!)。いつもなら15分程度で内見終了なのですが、なんとこの日は1時間もいろいろ見てしまったのです。


 内見後はまたしても一乗寺のcoimo wineに行き、「ど、どーする!?」「運命の物件やない!?」と話し合うⒸとS。思い切って、やってみっか! ということにあいなりました。

 Ⓒは「あの家賃やとどうせ訳あり物件やろうから、酒のつまみがわりのネタにしようと思って内見予約した」と言います。でも、それが申し込みしようと思えるものだったわけですから、そして天神さんに参加できなかったのは本当に残念ですが、もし参加していたらこの物件を内見していなかったでしょうから、運と縁というのは分からないものです。


 この後店主Sは食品衛生責任者資格を取り、保健所に飲食店開業の事前相談にも行って、準備は着々と進んでおります。みなさま、8月5日より、どうぞよろしくお願いいたします! 

※本(とくにフェミニズム・ジェンダー、女性の生き方関連本、源氏物語関連、サブカル関連)買い取りますので、ぜひお問い合わせください!

2023年6月12日月曜日

阿倍野長屋古民家古本市ありがとうございました

 

 6月10日、11日に開かれた阿倍野長屋古民家古本市、ありがとうございました! Kaninは日曜日だけの出店でしたが、主催者さまをはじめ出店者さま、来ていただいたお客さま、本当にありがとうございます🐰 いろいろな方々とお話できて楽しい一日でした。

 『エトセトラ』が売れて幸せ、そしてルシア・ベルリンの著書に興味を持っていただけた方がお2人いて、店主Ⓒ、Sとも非常にうれしかったです(Sの著書は今回も売れなかったけど……我慢する……)。

 店主Sは、だいぶ長いこと生きているのに生まれて初めて知った「新いろは歌」に心を惹かれて作ってみたのですが、最初「ろ」が入ってないよ! とご指摘をいただき&それを直すとかなりやばいメンヘラSM調になり、精進せねば……と思いました(何度でも言うが真面目な長女)。


 その前日、10日には店主ふたりで上鳥羽の大型アンティークショップ 70Bさんで、実店舗 のためのテーブルや椅子を購入しました。広い店内をくまなく見て歩き、おおよその家具をそろえたところで、疲れ切った体と心を癒すべく入った東寺近くのミスターギョーザさんで昼ビール。家具をそろえたことで、実店舗の全体像が見えてきた気がします……! 


 実店舗は、京都・北白川に8月5日(土)オープン予定です。いろいろな所で配っているチラシをご持参いただくと、8月13日までお好きなドリンク1杯目を300円でご提供。あべのベルタの「書肆七味」、Kaninの棚にもチラシを置いてありますので、どうぞよろしくお願いいたします!




2023年6月8日木曜日

Kaninの実店舗探し④ ピンとこない

  火曜日に突然PCが充電できなくなり、メーカーに電話したら放電とかいろいろやらされたあと「マザーボードの故障ですね。修理費1万5000円、基盤交換代14万円」と言われしばし立ち直れなかった店主Sです。買ったときの値段、11万4000円なんですけど! SDGsが叫ばれる今の時代に、部品代のほうが新品より高いというのはイカンと思います!


 そして今日は、内装を担当してくれる会社の方と一緒に物件を見てきました。京都出身の元上司かつ今のクライアントからのご紹介。ありがたい……。

 また、Eラーニングで「食品衛生責任者養成講習」も受講中。便利な世の中になったもんだぁ。


←パテオの右奥にKaninの物件があります。手前の赤い壁紙が素敵なお店は、お洋服店になる予定だそうです。




 さて、アルコールの魔力でもうちょっと物件探しをがんばろう、と決めた店主ⒸとS。お目当ては2件。出町柳駅徒歩8分の古民家と、一乗寺駅徒歩8分の店舗付き住宅です。

 まずは出町柳駅徒歩8分の古民家へ。みなさん、古民家お好きですか? 店主Sは大好きです。それはもしかしたら、著書の『魅力あふれるうるわし古都 奈良へ』で古民家カフェをたくさん取材したからかもしれません。

 そんな訳でうっきうきで内見したのですが、やはり現実は厳しい……となりました。実際、とっても素敵だったんです。今はもうあまり目にしない模様入りのすりガラス。2階には備え付けの2段ベッド。欄間の意匠もかわいかった。中庭があるので光も入ってきます。

 がしかし。台所は「20年ぐらい使っていないのではないか」というほど古びており、床を剝がしたらどんな状態かわからない。和室の床も傾いていて、建具がピシッと閉まりません。この古民家を再生するには莫大な費用がかかりそうです。そしてここは賃貸。どんなにお金をかけて直しても、自分たちのものにはなりません。っていうかそんなお金ないから直せない、というのが事実なのですが……。

 あきらめざるを得ない物件だったのですが、ここがばっさり取り壊されて、ペラペラの新築住宅(←店主Sの家……)になるかと思うとやるせない。どなたか心ある方が、再生してくれますように……とふたりで祈りながら物件をあとにしました。


 2件目は一乗寺駅徒歩8分の店舗付き住宅。ここは以前バーだったそうで、1階が店舗です。①スケルトン渡しだけど、ほしいものがあれば残してあげる、②床が浮いているところはオーナーが直す、③キッチン、トイレは割と良い状態で残っている、という物件でした。

 2階の「住宅部分」は、ワンルーム表記ながらゆったり明るく、きちんと改装されており「明日からでも住めるよね」という感じ。そしていちばんのポイントは、住居と店舗の入り口が分かれている、ということです。ここ、店主Ⓒの譲れないポイントなのです。

 条件はとてもいい。

 なのに、なぜか店主Ⓒ、Sともに「いいやん、きれいやん」と言いつつも「ピン」と来なかったんです。家を4軒買った店主Sが思うに、不動産は「ピン」とくるかこないかが全て(その前に予算という厳然たる制限が壁のようにそびえたつが……)。「ピン」とこない物件は、やめておくのが吉です。


 店主ふたりはまたもや力尽き、一乗寺のcoimo wine(ふたりのお気に入り)で昼飲み……。「なあ、私ら、もしかしたらものすごくわがままなんやろうか。こんな予算でふたりともが気に入る物件なんてないんやないやろか」と、何回目やねん、な話になりました。が、そこへ居合わせた方から、「一乗寺のあの物件、もう1年以上出てますよね」という情報が。

 ううむ、やはり、やはりか! 1年以上出てたのか! 誰もピンときてないんか! 怪しいと思ったわ! と我が意を得たりな店主ふたり(いいやん、きれいやん、って言ってた癖に……)。

 ここで物件探しの方法について、(飲みながら)反省会をする店主ⒸとS。個人経営の素敵なカフェや飲食店で話を聞くと、「物件探しに半年以上かけた」「ここいい感じだな、でも最近閉まってるな、と思う物件を歩いて探し、不動産屋さんに情報をもらって直接交渉した」という方も多いのです。「ネットでしか探していない我々、間違ってるんかな……? 足で探す……? でも時間ないよね……?」と真面目な長女気質なので意気消沈(何度目か!)。

 しかしみなさん、安心してください。足で探さなくても、見つかりますよ!

 というわけで、いよいよ次回は北白川の物件登場! 待て、次号!(とんケチャの最終回って、どうなったんだろう……?)


 

2023年6月5日月曜日

Kaninの実店舗探し③ 野良台所

  前回、一乗寺駅界隈で貸店舗物件を内見したものの、意気消沈して昼飲みに逃げた店主ⒸとS。そこへ、隣の事務所と玄関共有の物件でお世話になった不動産屋さんから、「実は先日内見していただいた隣の店舗が空くそうで、そこは流しもトイレもついている」という耳寄り情報が入ってきました。

 家賃が安いこの物件で、トイレと流しがついているならそれほど大掛かりな工事は要らない=元手が少ないKaninにうってつけの物件なのでは⁉ と逸る気持ちをおさえて、週末に内見を予約。

 事務所が入っていたという物件は、お隣のように改装しておらず、壁紙などなかなか荒れていましたが、壁紙は張り替えればすぐにきれいになる、というのは家を4軒買った店主Sは承知しています。「内装はこちらでやります。トイレと流し、見せてください!」とお願いしました。

 不動産屋さんは「トイレは店舗の裏にあるらしくて、一度外に出ないといけません。が、専有トイレなのでご安心ください」とのこと。店主ⒸとSは「トイレに行くのに外に出る……でも、そういう飲食店ってあるよね」とつぶやきつつついていきました。

 トイレは和式。これは洋式に入れ替えねばならぬな。でもま、トイレ替えるのは100万もかかるわけやないしな、というのがふたりの感想でした。

 そしていよいよ「流し台」を見せてもらうことに。不動産屋さんは「流しも外にあるみたいです」と言います。えっ? 流しが外? それって小中高にあった、水飲み場みたいな感じ? ラグビー部の男子が練習後に全裸で体洗ってて「ふざけんな!」と女子運動部の面々が怒ってた、あんなやつ……? と大混乱な店主ⒸとS。

 みなさん。

 百読は一見にしかず。

 ここは、文字でいろいろ説明するよりも、写真を見ていただいたほうが早いと思うのです。

 どうぞ、ごらんください。「外にある流し」。


……。

 店主ⒸとS、文字通り「絶句」いたしました。これが流し……? 確かに流しだけど、本当に外にあるよ。野良感半端ねぇ……。これはキッチンとして役所から許可出んやろ。っていうか今まで入居してた事務所はここでお水汲んでお茶淹れたり、湯飲み洗ったりしてたんか……? まじで……?

 こんな考えが頭の中をぐるぐると巡り、言葉を発せない店主2人。そしてそれは不動産屋さんも同じでした。自社物件ではない仲介なので、「流し」がこれだとは知らなかった様子です。
 
 おそらく不動産屋さんも「ないわ……」と思ったのでしょう。「昨日出た物件なのだが、二条城の近くに、ブックカフェ向きの物件がある。美容院が入ってた店舗で、きれいに使っている。ご覧になりますか?」と言ってくれました。

 二条城かぁ……。一乗寺からはずいぶん離れるよなー。そして店主Ⓒ、Sとも自宅からのアクセスよくないなあ、でもこんな後ろ向きなことではいかん! せっかく紹介してくれてるんやから! と気持ちを奮い立たせて「はいもちろん!」と返事をし、その日の午後、急遽内見しました。

 確かにおしゃれな内装、しかも美容院はお客さんが増えたためもっと大きな店舗に移転、という縁起良し物件(かつげる験は全部かつぎたいお年頃)。「前向きに考えます!」とお返事したのですが、人生甘くない。私たちが良いと思う物件はみんなも良いと思うものです。その後すぐ「あの物件、申し込み入ってしまいました」と連絡がありました。

 意気消沈して、昼飲みに逃げるKanin店主たち(そればっかりやな)。でも昼飲みをしているうちに元気がわいてきて(アルコールの魔力)、もうちょっと探してみよう! ということになりました。候補はふたつ。出町柳駅徒歩8分の古民家、そして一乗寺駅徒歩8分の店舗付き住宅です。

 さあどうなるKanin⁉ 遂に理想の物件に出会えるのか⁉ 待て、次号!(ペンネーム「みーやん」にしようかしら……)。

2023年6月2日金曜日

Kaninの実店舗探し② 賃貸物件での挫折

 

 6月1日、実店舗の契約を済ませました、のツイートにたくさんの「いいね」とリツイート、本当にありがとうございます! 真面目な長女気質の店主ⒸとS、お互い夜中に何度も目が覚めていたことが発覚しちょっと笑いました。真面目になり過ぎず、健康第一でがんばります……!


 


 さてKaninの実店舗探し、その②。

 売買物件はやはり難しいよね、ということにようやく気付いた2人(最初から気付けよと自分で自分につっこみ)は、一乗寺界隈で賃貸物件を探すことになりました。が、これもまたいばらの道だったのです。

 1軒目、見に行ったのは一乗寺駅と茶山駅の間(かなり茶山より)。家賃がとにかく安く、内装もきれいに改装しているのが目に留まりました。キッチンはついていないようだけど、それは付ければいいのではないかと思い早速見に行ったのですが、ガスが引き込まれておらず、またキッチンを付けるにはかなり狭い。ここでブックカフェをやるなら、いわゆる「角打ち」スタイルになってしまいます。が、店主Ⓒ、Sとも陰キャなので、カウンターでわいわいとたくさんの角打ち客を楽しませる自信がひと粒もありません。

 そしてこの物件のもっと不思議な点、それは「隣り合っている店舗(事務所)と、玄関のドア(引き戸)を共有している」ことでした。ちょっと説明しにくいのですが、壁で隔てられている隣の事務所と引き戸の玄関ドアが共用で、どちらかの引き戸を開くとどちらかの引き戸が閉じて開けられない、というものです。なんでこんな作りに……? と大きな?が頭に浮かび、「やめとこか……」になりました。

 ここはその後すぐに事務所使用として入居者が決まっています。やはり家賃が安いのは魅力ですよね!


 その日の午後、今度は一乗寺駅徒歩2分、「ザ・駅前」な店舗を見に行きました。スケルトンのような、お店にはほぼ何も残っていない状態ですが(残置物はいっぱいある……)、以前は食品店だったとのことで、ガスも通っています。キッチンをつければ使えそうだと思いました。

 が、「こちらの2階を大家さんが倉庫として使っているので、店舗の営業時間に大家さんが荷物を持って2階に上がることがあります」と不動産屋さん。ううむ、それはちょっとお客さんがびっくりしはるかなぁ。事前に言うてくれるんやったらいいかなぁ……と思っていると続けて、「あと、こちらの壁が隣のお宅と共用で、そして壁の向こうが隣の方の寝室なんです。お年を召した方なので寝室にいらっしゃることが多く、こちらの壁ぎわでは、騒音が出る大がかりな工事はご遠慮いただきたいと……」と。

 あかんやないかー! キッチン入れるし、残っている汚れたタイルとか剥がしたいし、汚れた床も張り替えたいし、騒音絶対出るやないかー! 

 おいちょっと待てー、その前にキッチン入れてタイルはがして床張り替えてって何円かかんねーん! 元手がないうちらには無理やないかー!

 というわけで、大変立地の良い物件でしたが、「やめとこか……」となりました。


 ここで意気消沈して昼飲みへ逃げるKaninの店主ふたり。「もうちょっと探してみよう」ということになり、ふたたび不動産ポータルサイト、間借りサイト、事業継承サイトなどさまざまなサイトを検索する日々が始まりました。

 そこへ数日後、上記のガスが通っていない&隣の事務所と玄関共有の物件でお世話になった不動産屋さんから、「実は先日内見していただいた隣の店舗が空くそうで、そこは流しもトイレもついている」という耳寄り情報が! 


 流しもトイレもついている⁉ ってことはキッチンを取り換えるだけでいけるのでは⁉ しかも家賃も安い! 玄関が共用なのが引っかかるけど、借主持ちで取り換えOKって言ってるし! と心躍るKaninのふたり。さあ、どうなるKanin⁉ 待て、次号!(心はすっかりとんケチャのみーやん)。